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プルスウルトラ版封入特典ブックレット掲載 スタッフインタビュー試し読み

監督:長崎健司さん × 脚本:黒田洋介さん 対談

劇場版本編の中で、特に思い入れのあるシーンをお聞かせください。

長崎:たくさんありますが、やはりデクとオールマイトが共闘するシーンは思い入れが強いです。特にデヴィットがデクにオールマイトの面影を見るシーンがあるんですけど、そこは今回のテーマを象徴するような場面だと思うので、絵としてもとても印象に残っています。

黒田:僕は自分が書いていた時も、完成版を観ていた時も、捕まったオールマイトがデクと目と目で会話する場面が印象的でした。オールマイトが「やめろ」と言っているのに、デクは「行きます」と伝えて、そんなデクにオールマイトが「そりゃ、行くか……」となる(笑)。めちゃくちゃな師弟関係ですが、あの会話は書いていてすごく楽しかったです。あと、峰田のシーンはどれも書いていて楽しかったです。

長崎:峰田がいると、ちょっとホッとする場面とかクスッとできる場面が作れるんです。彼がいてくれたおかげで、すごく助かった部分があります。峰田と上鳴は楽しいですよね。

黒田:今回は飯田がきちんとリーダーシップを取らないといけなかったので、あまりできなかったんですけど、違う機会があれば飯田の勘違い暴走みたいなものも書ければいいなと思います。

長崎:それでも結局、全員活躍の場を作ってもらえていたと思います。耳郎とかも見せ場がありましたから。

黒田:あのビルの中にいるとどうしても索敵の能力を持った人が必要なんですよね。そうやって“個性”に応じた活躍の仕方を考えていった結果です。ただ、常闇は使い勝手が良すぎるので、今回はちょっと休んでいてもらいました(笑)。常闇が活躍するんだったら、そのためのフィールドを逆に作らないといけないなと思いました。

長崎:まあ、原作でも「ヒーローは適材適所」と言ってますから、得意なところもあれば苦手なところもあるということで。今回はみんなでチームとして行動していき、最後には仲間たちの声援を受けながら、オールマイトとデクが活躍するという話なので、そういう意味でチーム感を出していくためには、今回選んだのがベストメンバーだったと思います。耳郎も可愛かったしね。

黒田:誰かスタッフにファンがいるんじゃないかと思うくらい、活躍していましたからね。すいません。実は、お話運びの上での必然でした(笑)。

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プロフィール

[PROFILE]ながさき・けんじ/1979年2月12日生まれ。大阪府出身。制作進行、演出を経た後、『機動戦士ガンダム00』(07年)に演出、絵コンテ、助監督として参加したことで注目される。11年に『No.6』で監督デビュー後は、演出、絵コンテとして活躍するかたわら、コンスタントに監督作品を発表。その他の監督作品は『ガンダムビルドファイターズ』(13年)、『Classroom☆Crisis』(15年)など。また、本作が劇場版アニメ監督デビュー作となる。

[PROFILE]くろだ・ようすけ/1968年3月29日生まれ。三重県出身。大学卒業後、雑誌編集者やゲームのシナリオライターを経て、スタジオオルフェ結成に参加。以後、数多くのアニメの脚本を手がける。主な参加作品に『魔法少女プリティサミー』(96年)、『トライガン』(98年)、『無限のリヴァイアス』(99~00年)、『おおきく振りかぶって』(07年)、「機動戦士ガンダム00』(07年)、『ガンダムビルドファイターズ』シリーズ(13~14年)などがある。

キャラクターデザイン・チーフ作画監督:馬越嘉彦さんインタビュー

劇場版では若い頃のオールマイトが描かれることになりましたが、若い頃のオールマイトと聞いて、どんなキャラクターをイメージされましたか?

今回のお話が大体固まったのと、堀越先生が描かれた若い頃のオールマイトのラフデザインを僕が見たのが、ほぼ同時くらいだったと思います。堀越先生のラフデザインを見た時、若い頃のオールマイトの顔にはアメコミのようなブラック(影を表現した黒い部分)がないことが印象的でした。アメリカで修行を積んでいく間に、あのブラックが刻まれていったのかなと思いました。若い頃にそれがないのは、すごく興味深かったですね。オールマイトのとても特徴的な部分で、ほかのキャラクターとの差がわかりやすく出せるところなので。今のオールマイトは目の周りもブラックなので、目がはっきりと描かれていませんが、若い頃は目も普通に描いてあるんだなと思いました。

堀越先生のキャラクターをアニメに落とし込む時、注意されていることはありますか?

堀越先生のコマの絵、そしてキャラクターたちの表情をなるべく原作のままフィルムに落とし込みたいというのが、最初からずっと念頭にあることです。その上で、アニメーションになった時には、色が付いて背景が入り、声や音楽も乗っていくので、自分が担当しているところ以外でアニメ独自の世界ができていると思います。その結果、アニメならではの魅力が十分表現できているのではないでしょうか。そういう意味では、劇場版には原作がないので、別の持ち味が出やすいものではあるんですが、それはそれでテレビシリーズとはまた違った見せ方にもなっていたので、面白かったと思います。

キャラクターを描かれる時は、どのパーツから描きはじめますか?

描く順番はあまり意識したことがないんですが、基本的には目ですね。あとはやっぱり髪型とか、そのキャラクターのシルエットを作る部分を気にしつつ、全身のバランスを取りながら描いていきます。例えば、オールマイトなら頭の角のようなシルエットですぐにオールマイトだとわかりますよね。すごくよくできたキャラクターだと思います。そうしたはっきりした特徴がないキャラクターでも、何かしらポイントを探して描いていきます。

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プロフィール

[PROFILE]うまこし・よしひこ/1968年7月30日生まれ。愛媛県出身。様々な作品で原画や動画を担当後、94年、OVA『グラップラー刃牙』で初めてキャラクターデザインを務める。以後、数多くの作品でキャラクターデザインや作画監督を担当。主な参加作品に『おジャ魔女どれみ』シリーズ(99〜03年)、『ジパング』(04〜05年)、『蟲師』シリーズ(05〜14年)、『ハートキャッチプリキュア!』(10〜11年)、『聖闘士星矢Ω」(12年)などがある。

音響監督:三間雅文さんインタビュー

主役を務めている山下大輝さんの“個性”はどんなところに感じますか?

それを探るために第1話の収録から、かなり追い詰めたんですよ(笑)。一度すべてを脱がしてやろうと思い、「ダメだ」と言うんだけど何がダメかは教えずにいました。まずは自分で考えてやってもらいたかったので。アメとムチでいえば、ムチしかあげなかったですよ。第1期の13話くらいまでは。だから山下さんは絶対に私の事を嫌いになっているなと思っていました。でも、そのやり方に彼はしっかり食い付いてきたんですよね。それこそが彼の“個性”だと思います。絶対に折れない。しかも常に前向きでネガティブにならないんですよ。すごく素敵な役者だと思いました。

ゲスト声優として参加された志田未来さんと生瀬勝久さんとのお仕事はいかがでしたか?

お二人ともとてもやりやすかったです。こちらが投げたボールをきちんと拾ってくれる方たちだし、それをどこへ投げ返せばいいのか、聞いてくれる方たちだったので。「アニメのやり方はわからないから」という妥協が、まったくないお二人だったので、すごくよかったです。しかも、こちらから言われた通りやるのではなく、それをご自分たちで咀嚼して表現してくださるんですよ。自分たちで考えてああやろうとか、こうやろうとか。だから比較的時間はかかったんですが、とても有意義な時間でした。最初、アメリカ風な明るい娘を志田未来さんが演じると聞いて、少しイメージと違うかもと思っていたんです。でも、役に入ったらパンと華が咲いたんで「これはすごい」と思いました。じゃあ、揺さぶってみようと思っていろいろなボールを投げると、必死になって拾ってくるので、最後は惚れちゃいました。それに、もともと僕は舞台が好きで、生瀬さんの舞台も何度も見たことがあるんですよ。だから初めてお仕事するのに以前から知っているような気がして、とても話しやすかったです。生瀬さんもきちんとこちらがほしいことを探ってくださる方で、ストレートにこういうものがほしいとは言わなくても、「じゃあこういうのはどうですか?」、「こういう場合ならこれはどうでしょう?」とこっちに寄せていってくださって、お二人とご一緒できてすごくよかったです。

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プロフィール

[PROFILE]みま・まさふみ/1962年5月20日生まれ。東京都出身。有限会社テクノサウンド代表。88年、OVA『炎のティーチャー・マドンナ』で音響監督デビュー。89年、『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』でテレビシリーズ音響監督デビュー。主な参加作品に『ポケットモンスター』シリーズ(97年~)、『鋼の錬金術師』シリーズ(03年~10年)、『進撃の巨人』シリーズ(13年~)、『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』(18年~)などがある。